No.7新着 2000年以降のお笑い 賞レースとネタ番組が若手を押し上げ、笑いの舞台は配信にも広がった
2001年に始まったM-1グランプリを皮切りに、漫才、コント、ピン芸の賞レースが年中行事になり、2000年代にはネタ番組のブームも起きた。2010年代後半から芸人の活動はYouTubeや有料配信に広がり、M-1グランプリの出場者数は2025年、2026年と続けて過去最多を更新した。
本文と出典
あらまし
2000年代のお笑いは、賞レースとネタ番組が若手を世に出す仕組みになった。
2001年に始まったM-1グランプリは、優勝すれば一夜で人気者になれる大会として定着し、コントやピン芸、ベテランの漫才にも同じ形の大会ができた。
2000年代半ばには、短いネタを次々に見せるネタ番組がブームになり、トーク番組では後ろの段に並んで場を盛り上げる「ひな壇芸人」が一つの役割として語られるようになった。
2010年代の終わりからは、芸人がYouTubeや有料の配信で直接客に届ける動きが広がった。
主なできごと
・1999年3月 NHKで『爆笑オンエアバトル』が始まる(2010年3月まで)
・2001年 M-1グランプリが始まり、第1回は1603組が出場して中川家が優勝する
・2002年 R-1グランプリが始まる
・2003年4月 日本テレビで『エンタの神様』が始まる(2010年3月までレギュラー放送)
・2006年3月20日 テレビ朝日の『アメトーーク!』で「ひな壇芸人」の回が放送される
・2007年2月 フジテレビで『爆笑レッドカーペット』が特番として始まる(2008年4月からレギュラー)
・2010年 M-1グランプリがいったん終わる
・2015年 M-1グランプリが復活し、出場資格が結成15年以内に広がる
・2018年10月1日 キングコングの梶原雄太が「カジサック」としてYouTubeを始める
・2019年4月19日 オリエンタルラジオの中田敦彦が教育系のYouTubeを始める
・2023年 結成16年以上の漫才師が対象のTHE SECONDが始まる
・2024年1月8日 松本人志が芸能活動の休止を発表する
・2025年11月1日 有料配信サービス「DOWNTOWN+」が始まり、松本人志が活動を再開する
・2025年12月21日 M-1グランプリ2025の決勝で、たくろうが優勝する
・2026年3月21日 R-1グランプリ2026で今井らいぱちが優勝する
・2026年5月16日 THE SECOND 2026でトットが優勝する
・2026年10月3日 M-1グランプリ2026のエントリーが過去最多の1万2663組と発表される
・2026年10月17日 キングオブコント2026でジェラードンが第19代王者になる
賞レースの時代
M-1グランプリは島田紳助と谷良一が企画し、吉本興業と朝日放送が主催して2001年に始まった。
出場資格は当初「結成10年未満」で、2003年に「結成10年以内」、2015年の復活時に「結成15年以内」に広がった。
第1回の視聴率は関東9.0%、関西21.6%で、2025年の第21回は関東16.2%、関西24.4%だった(ビデオリサーチ、世帯)。
2025年は1万1521組が出場し、初めて決勝に進んだたくろうが優勝、ドンデコルテが2位になった。
2026年はさらに1142組多い1万2663組が出場し、12月に決勝が行われる予定である。
漫才以外にも同じ形の大会が並ぶ。
ピン芸のR-1グランプリは2002年に始まり、2026年は6171人が出場して今井らいぱちが優勝した。
コントのキングオブコントは2026年が第19回で、3445組の頂点にジェラードンが立ち、この年に初めて敗者復活の枠が設けられて決勝は11組になった。
2023年に始まったTHE SECONDは、M-1に出られなくなった結成16年以上の漫才師を対象とし、2026年はトットが4代目の王者になった。
ネタ番組とひな壇
NHKの『爆笑オンエアバトル』は、客席の100人が面白いと思った芸人にボールを入れ、重さで放送する組を決める番組だった。
日本テレビの『エンタの神様』は、番組だけで使う芸名を付けたり、ネタに字幕を入れたりする演出で20%を超える視聴率を何度も取った。
フジテレビの『爆笑レッドカーペット』は、通常4分ほどのネタを1分前後に縮めて大勢の芸人を見せ、2008年11月に22.5%を記録した。
一方、『アメトーーク!』が2006年に「ひな壇芸人」の回を放送したことで、多人数のトーク番組で後ろの段から場を回す芸人の技術が、一つのジャンルとして知られるようになった。
配信とYouTube
キングコングの梶原雄太は2018年10月に「カジサック」としてYouTubeを始め、2019年末までに登録者100万人に届かなければ芸人を辞めると宣言し、2019年7月に達成した。
オリエンタルラジオの中田敦彦は2019年4月に教育系のYouTubeを始め、2020年末に吉本興業を辞めた。
松本人志は2023年12月の週刊誌の報道を受けて2024年1月に活動を休止し、出版社を訴えたが、同年11月に訴えを取り下げた(記事の訂正や削除はなく、法的な決着はついていない)。
2025年11月1日にダウンタウンの有料配信サービスが始まり、松本はその生配信で約1年10か月ぶりに活動を再開した。
テレビを経ずに客へ直接届ける場が、大手の事務所の看板芸人にとっても選択肢になったことが分かる。
なぜ受けたのか
賞レースは、芸人の実力を点数と順位で見せる。
視聴者は審査員と一緒に採点するように見ることができ、勝ち抜き戦の緊張がネタそのものの面白さに加わった。
出場の条件が公開されていて、無名の若手でも予選を勝ち上がれば年末の生放送に出られることも、出場者が増え続ける理由と考えられる。
ネタ番組がネタを1分前後に縮めたのは、多くの芸人を短い時間で見比べたいという見方に合わせたためと考えられる。
評価の分かれる点
『エンタの神様』は、いわゆる一発屋を多く出したことでも知られ、ネタの多くを制作側が作ったという芸人の証言もある。
番組の演出が芸人を世に出したと見るか、芸人の芸を縮めたと見るかは分かれる。
松本人志をめぐる報道の事実関係は、訴えが取り下げられたため裁判では確かめられていない。
くらさんの考察
2000年以降の大きな変化は、芸人を選ぶ仕組みが外から見えるようになったことと考えられる。
寄席や事務所の中で決まっていた「誰が上に行くか」が、賞レースの予選と決勝で公開されるようになった。
配信の広がりは、その選ばれ方からも外れて、客と直接つながる道を開いた。
テレビ、賞レース、配信が並び立つ今の状態は、寄席と放送が並び立った戦後とよく似た形をしていると考えられる。
ジージへの問いかけ
・ジージは毎年のM-1を見て、審査員の点数に納得することが多いでしょうか。
・芸人が順位を競う笑いと、寄席のように順位のない笑いでは、どちらが好きですか。
・YouTubeや有料配信でお笑いを見ることに、テレビとの違いを感じますか。
出典
・ウィキペディア「M-1グランプリ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/M-1グランプリ
・琉球新報「M-1、ドンデコルテが準V 沖縄出身・小橋さん『めちゃくちゃ楽しかった』」(2025年12月22日) https://ryukyushimpo.jp/national/entry-4891910.html
・秋田魁新報(オリコン配信)「『M-1グランプリ2026』過去最多のエントリー数を記録 1万2663組が参戦、2回戦がスタートへ」(2026年10月4日) https://www.sakigake.jp/news/article/20261004OR0022/
・デイリースポーツ「キングオブコント19代目王者はジェラードン」(2026年10月17日) https://www.daily.co.jp/gossip/2026/10/17/0020940565.shtml
・ウィキペディア「R-1グランプリ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/R-1グランプリ
・ウィキペディア「THE SECOND 〜漫才トーナメント〜」 https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_SECOND_〜漫才トーナメント〜
・ウィキペディア「爆笑オンエアバトル」 https://ja.wikipedia.org/wiki/爆笑オンエアバトル
・ウィキペディア「エンタの神様」 https://ja.wikipedia.org/wiki/エンタの神様
・ウィキペディア「爆笑レッドカーペット」 https://ja.wikipedia.org/wiki/爆笑レッドカーペット
・ウィキペディア「ひな壇芸人」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ひな壇芸人
・ウィキペディア「梶原雄太」 https://ja.wikipedia.org/wiki/梶原雄太
・ウィキペディア「中田敦彦」 https://ja.wikipedia.org/wiki/中田敦彦
・ウィキペディア「松本人志」 https://ja.wikipedia.org/wiki/松本人志
・J-CASTニュース「松本人志が活動再開、2年ぶり...さすがのしゃべり『DOWNTOWN+』生配信で」(2025年11月2日) https://www.j-cast.com/2025/11/02508752.html
この記事を読んで浮かんだ疑問は、運営者ジージがお笑いQAでくらさんに質問し、答えをそこに載せていきます。